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【確定申告】外資系企業に勤める人のESPPの国外給与の計算とFreeeでの確定申告

こんにちは、ノオト(@knowledge_notes)です。

ノオト

外資系企業で勤めると、株が付与される場合があります。

今回はESPPの確定申告を行ったのでその際の疑問を解消していきたいと思います。

本記事のテーマ

外資系に勤める人に向けて「ESPPについての確定申告」について書きます。

本記事の信頼性

本記事を書いている私は、こんな経験があります。

・外資系勤務
・ESPP/RSU付与
・確定申告5回目(不動産所得あり)

読者へのメッセージ

確定申告をしていない人は、国税庁の慣れないシステムに戸惑いますよね。

私は不動産所得もあるのでFreeeを使って確定申告をしています。

今回のESPPは、Freeeを使わなくてもできます。

複雑に考えずに手順に従ってできたら終えられると思います。

それでは、いきましょう。

この記事の前提

この記事を読むにあたって、私が使っているサービスを紹介

証券会社

証券会社E*Trade

証券会社は、会社から指定されたE*Tradeを使っています。

多くの外資系企業で使われているアメリカの証券会社です。

確定申告サービス

会計ソフト(サービス)freee

会計ソフトはfreeeを使っています。

freeeを使っているのは、不動産所得のためでこのESPPの為ではありません。

ESPP(従業員株式購入プラン)とは

まずESPPの概要を抑えたいと思います。

ESPPとは

Employee Stock Purchase Plan
(従業員株式購入プラン)

ESPPとは、従業員株式購入プラン:Employee Stock Purchase Planの頭文字をとった略語です。従業員が、勤め先企業の株を一定数量購入できる制度を指します。

ESPPのメリット

何がメリットがあるかというと、

・通常よりディスカウントされた安い価格で株を購入できる。
・企業とって企業価値向上が見込める。

たとえば、通常100ドルで取引されている株があった場合に、15%程度会社の補助を受けて85ドルで購入することができます。受け取って即売れば、理論上割引された分の15ドル分の利益が即座にでることになります。

また、株を受け取ることができるので、その株が値上がりをしたらさらに受け取る利益が増えることになります。外資系企業で成長性の高い企業では一般的な制度です。

会社にとっては、多少割引をするとはいえ、一定量で自社株が購入されていくので安定的に株価が向上し、企業価値向上に役立てることができます。

ESPPの注意点

ただし、ESPP制度を使って安く株式を購入した場合にさらに株価が上がっていた場合は、「購入日の時価」と「購入価額」との差額が「国外給与所得」になり給与所得が増えることになります。

当然ですが、所得が増えるということは、所得税などの税金が増えるということです。

確定申告で使用するESPPの所得計算方法

ここでは、ESPPから得られた所得の計算方法を解説します。

ESPPで使用する所得の計算式

(購入日のFMV-購入価格)×購入数量×ESPPを購入した日のTTM

購入日に85ドルをもとに、15%の割引を受け100ドル×100株分で購入し、その日の時価は120ドルだった例を挙げます。

購入日のFMV

FMVはFair Market Valueです。いわゆる時価のことで皆さんが日々目にする株価のチャートであらわされる株価を指します。

冒頭の例だと120ドルが該当します。

購入価格

購入価格です。私の会社のように一部割引されている場合、購入した価格は自分が支払った額です。つまり割引後の数値です。
冒頭の例だと85ドルが該当します。

E*Tradeの場合
◎:Purchase Price 
×:GrantDateFMV

購入数量

購入した株数です。

冒頭の例だと100株が該当します。

ESPPを購入した日のTTM

為替レートです。

購入日をもとに、自分で調べる必要があります。

TTMとは「Telegraphic Transfer Middle Rate」の略で「仲値」のこと。TTS/TTBの間です。

E*Tradeから必要情報の取得方法

E*Tradeログイン後のトップページから下記の順で操作します。

Benefit Historyを開く

Stock Plan > My Account > Benefit History

Employee Stock Purchase Planまでスクロール

Benefit Historyの画面から下に行くと、下記の画面があります。

すべて表示されていない人はEmployee Stock Purchase Planのタイトルの端の「>」を押してみてください。

ここでは、購入日 購入価格 購入数量 購入日のFMVを知ることができます。

自分でExcel計算

計算は下記の通りです。

(1購入日のFMV-2購入価格)×3購入数量×ESPPを購入した日のTTM

ESPPを購入した日のTTMは、みずほ銀行の下記のページから確認することができます。

外国為替公示相場テキストデータダウンロード

先ほどの例で計算すると

(1購入日のFMV-2購入価格)×3購入数量×ESPPを購入した日のTTM

購入日に85ドルをもとに、15%の割引を受け100ドル×100株分で購入し、その日の時価は120ドルだった例を挙げます。TTMは1ドル=105円とする。

(120ドル-85ドル)× 100株 × 105ドル/円 = 367,500円

36.75万円が国外給与所得としてカウントされここに課税されることになります。

Freeeでの確定申告方法

ここでは、Freeeを使った確定申告方法を解説します。

不動産所得など別で所得がある人は参考にしていただけると嬉しいです。

Freee確定申告の画面から「収支」を選択

「会社からの給与を受け取りましたか?」をクリック

支払金額、住所(居所)又は所在地、支払者、電話番号を入力

私の場合

・ESPPに対する源泉徴収税額や社会保険料等の金額はないので他は0円で提出します。
・支払者は本社になるので、本社の情報を調べて入力します。

確定申告書類Bを見ると・・。所得爆上がりからの、税金爆上がり(笑)

ノオト

今年はガツンと納税です。

【補足】TTMって?

ここでは、E*Tradeのとことで、出たTTMについて補足します。

TTMは為替レートのこと

TTMは為替レートだと書きました。他に為替レートの兄弟としてTTSとTTBがあります。

TTSは 円 → 外貨 に換算する時に使用するレート。SellのSです。
TTBは 外貨 → 円 に換算する時に使用するレート。BuyのBです。

TTB(Buy)とTTS(Sell)の間がTTM(Middle)

TTMはTTBとTTSの間のレートになります。

(例)
103円・・TTS
102円・・TTM
101円・・TTB

1000ドルに対する日本円を並べると

103円・・TTS =103,000円
102円・・TTM =102,000円
101円・・TTB =101,000円

両替するときは、海外旅行に行くと時を想像すると、103,000の高いレートで外貨に換えて、日本に戻ったらTTBの安いレートで日本円に換算しています。その間の2,000円は手数料で気が付かないうちに取られています。

【補足】購入した日(PurchaseDate)が土日祝日の場合、TTMは何を使うの?

ここでは、購入日が土日祝日場合のTTMを補足します。

本社がアメリカやヨーロッパなどの海外だと土日祝日が購入日になることも

本社がアメリカやヨーロッパだと現地の金曜日に付与された場合、日本では土曜日ですよね。

その際に、 みずほ銀行 の外国為替公示では土日祝日なのでTTMを取得できません。

外国為替公示相場テキストデータダウンロード

購入日が土日祝日の場合のTTMは、「同日前の最も近い日の為替相場」

購入した日(PurchaseDate)が土日祝日の場合、TTM レートがない。その場合どうするか?

その場合は「当該日に為替相場がない場合には、同日前の最も近い日の為替相場による。」

ソース:
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/13_2/13_2_01.htm

つまり、直近の金曜日のレートを用いるのが正解。

※自分も提出しなければいけいないので、可能な限り調べたうえで書いております。しかし、記載内容について責任は負えませんのでご了承ください。

まとめ

ESPPの確定申告は初心者には大変ですよね。

株を受け取るメリットがある一方で、納税の義務があります。

忘れずに、申告しましょう!

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